『協力隊を育てる会ニュース』連動企画 フェアトレードにかかわるOG座談会/前編

March 23, 2015

――お仕事をするうえで、青年海外協力隊時代の経験が活きていることはありますか?最近、一般にも浸透してきた感のある「フェアトレード」。どんな意義があるのか、携わる人たちはどんな想いを抱いているのか、フェアトレードビジネスにかかわる4人の協力隊OGにお話を聞きました。

 

今回の座談会にご協力いただいたのは、「株式会社Girls, be Ambitious」代表取締役社長の山田麻樹さん、

株式会社豆乃木」代表取締役の杉山世子さん、「SoooooS.(スース)」の大澤百合さん、「NPO法人シャプラニール」の平澤志保さんです。

※この記事は、『協力隊を育てる会ニュース』2015年3月15日号に掲載されたものの完全版です。

 前編と後編に分けてお送りします。

 

【フェアトレードとは】

開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指ざす「貿易のしくみ」(フェアトレード・ラベル・ジャパンWebサイトより)。

 

 

――フェアトレードにかかわったきっかけを教えてください。

 

山田 大学時代にNGO主催のスタディツアーでフィリピンに行き、決して豊かではないのに明るく生きている人々に驚きました。そこから「フィリピンの雇用を増やして、子供たちが夢を持てる環境をつくりたい」と考えるようになり、フェアトレードに興味を持ったんです。商社勤務を経て参加した協力隊でも、フェアトレードビジネスにかかわり、帰国後、「Girls, be Ambitious」を立ち上げました。現在は、フィリピンのココナッツオイルやモリンガというハーブなどを商品化して販売しています。

 

杉山 私は協力隊を経験してから大学に入りました。その研究室が「フェアトレードプロジェクト」というのをやっていたんですね。そこでメキシコのコーヒー豆につながるプロジェクトを行っていまして、そのまま生産者とのかかわりやつながりを活かして、大学卒業後にコーヒー豆の輸入と販売の会社「豆乃木」を立ち上げました。

 

大澤 私は長く日本語教師をやっていたんですけど、協力隊活動中に何か物足りなくなってしまったんです。それで興味があることを考えなおしたときに、フェアトレードが浮かんで。帰国後に、人や地球にやさしい商品を扱うECサイトSoooooS.の運営会社に入りました。現在は、協力隊OGであることを活かし、フェアトレードなどをやっているOBOGと連携しています。

 

平澤 私は子供の頃から途上国の人のための仕事がしたいと思っていました。でも協力隊に参加して、現地は現地で素晴らしい文化もあるし、逆に私たちが教わることが多いと感じたんです。豊かさってなんだろうというモヤモヤを抱えて帰り、一度は一般企業に就職しましたが、NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会に転職。そこで配置されたのが、当団体のフェアトレードのブランド「クラフトリンク」です。ここで商品企画を担当しています。

 

 

仕事に活かせる協力隊経験

 

杉山さんの協力隊活動中の写真

 

――お仕事をするうえで、協力隊時代の経験が活きていることはありますか?

 

杉山 全部です。隊員の活動なくしていまの活動はありえないので。フェアトレードの必要性も、活動先であるアフリカの3カ国、ジンバブエ、ケニア、マラウイで現地の人の生活を知るなかで感じたこと。現場を見て実感することがないままに、いまの事業のミッションもビジョンも見えなかったと思うんですよね。現場を知っている、知ってしまったことは、起業の一番の動機です。

 

大澤 本を読んで意識することと現場に行って見ることの差は大きいですよね。マーシャルは核実験が行われたビキニ環礁がある国です。ビキニの人はいまだに故郷に戻れていない。それだけ聞くとかわいそうなんですけど、見方を変えると援助慣れしてしまっていて、援助に依存する層がいるのも事実です。そんな状況を見ると、必要なのは援助ではないかもしれない、と。ビジネスの緊張感をもち、自分たちで国をよくする力をつけてほしいと思ったことが、いまにつながっています。

 

平澤 具体的なところでいうと、いま扱っている商品の生産者であるバングラデシュやネパールの女性たちの生活を想像できるのは、ボリビアで村に住んだ経験があるからです。国は違うものの、村における女性の生活は似ているところがあり、理解の助けになっていますね。

 

 

現地に雇用が生まれることにやりがい

 

 Girls, be Ambitiousのオーガニックココナッツ

 

――仕事の面白さはどんなところに感じますか?

 

平澤 フェアトレードが面白いと思うのはビジネス的にかかわれる点です。昔は「かわいそうな人がつくった手工芸品。だから買ってください」という売り方をしていたのが、「いい商品だから適正な価格で買ってください」となってきている。生産者と対等にかかわれる点がいいと思っています。また、この仕事によって、現地で雇用が生まれていることにやりがいを感じます。消費者の立場としても、作り手がわかるものを使いたいと思っていて、そういう意味でもフェアトレードにかかわれるのは嬉しいですね。

 

――仕事をするうえで気をつけていることはありますか?

 

山田 私はフィリピンの方たちが好きなのと、フィリピンの方たちの能力や良さを引き出してあげたいという気持ちがあるので、ただ単にバイヤーとして入っているのではなくて、フィリピンが好きだから、つながっていたいからこういうビジネスをしたいんです、という説明を大切にしています。

 

――引き出したい「良さ」とは?

 

山田 彼らが何もないのに何でもあるかのように楽しみを見出している姿が、私にとってはものすごくクリエイティブなんです。また、ココナッツオイルやモリンガがあることも「良さ」だし、製法も伝統的な製法の方がいい商品ができるんですよね。たとえばココナッツオイルは、機械を使う大量生産のものは香りが飛んでしまうのですが、伝統的な製法なら香りが残るんですよ。

 

――ECサイトの面白さはどんなところにありますか?

 

大澤 SoooooS.では、お客様がアンケートを書いたり、商品ページのコメント欄に記入したりするとポイントがもらえるんです。お客様と意思疎通ができることで商品やサービスをより向上させることができる。そういうマーケティングが容易で、次の展開に活かせる点が、ECサイトは面白いと思っています。

 

 

 

続きは、後編「フェアトレード事業にかかわる本音」にて。

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